大判例

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東京高等裁判所 昭和46年(ラ)853号・昭46年(ラ)849号 決定

競売法第二九条により準用される民事訴訟法第六五八条が競売期日の公告中に同条第三号の賃貸借に関する事項を掲げしめるゆえんは、競買しようとする者に、競買申出価額を決定するための一資料を与えることにあるものであるから、抵当権者したがって競落人に対抗できない賃貸借は掲記すべきでなく、存在しない賃貸借をあるかのように掲記したり、また著しく事実と違った賃貸借条件を掲記するときは、その公告は違法といわざるをえないが、賃貸借関係を取り調べても、その存否またはその内容について関係人間に争いがあって不明な場合は、その旨を付記して掲記すれば足るものと解される。

これを本件についてみるに、本件競売期日の公告中、賃貸借に関する事項は執行官杉山宏作成の報告書(記録一二五丁以下)によるものであって、同公告においては、本件土地、建物に関し所有者たる松村輝と辛煦根の間に賃貸借関係が存在するか否かについては不明であると付記されているものであるから、転貸借関係につき抗告人主張のような相違があったとしても(転貸借関係の相違は競買人の競買価額の決定にさしたる影響を与えるものではない。)、本件競売期日の公告には何らの違法はない。

(位野木 鰍沢 鈴木)

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